最初におかしいと感じたとき

私がふと去年の父をおかしいと感じたときですが、そのときは幻想的な雰囲気に包まれていて、頭の中で何やら複数の声が飛び交っていました。

 

私の神経は大きくて図太いですが、ときどき感じる感知能力として備わる第三の目のような能力が開眼したときでもあります。

 

下界の扉、森の眼、暗闇の眼、あるいはそのまま神話のような千里眼ともいうべき能力が発動する、発動を促す最終テストが始まった時期でした。

 

そのとき、父は「うん」とか「よし」という言葉を発する回数が増加しました。もともと5年以上前からその傾向があり、そのとき一日に2度とか、3度と少なかったですが、最近はことある度にその「うん」「よし」を繰り返します。

 

そしてそれはどうも私のタイミングに被せているようで、そうですね、世間的な言葉で説明すれば「こだま」ともいうべきタイミングで重ねてきます。

 

私はそれに関して特に抵抗やストレスがあるわけではないですが、父がやると気色悪いと感じ、そして本当に父の仕業かどうかが疑問でした。

 

父を信じたいが今までの父の人生像を考えるとどうも信じられないことばかりで、そして別枠の世界の主として改めて父を見ると、その使いのような存在だったのが本性なのだろうかとも直結して考えられました。

 

こちらの人間ではなく、別の種の主、別の種の主の使いかどうかの狭間で、私は父を研究して調べることにしました。

 

ある日、洗濯物の段取りをするのに1階へ降りると、父があぐらを掻いて向こうを見て座っています。手には団扇を持ち、団扇をゆっくりとあおぎ、私が通り過ぎる瞬間にその手を止めて、「うん」と言いました。

 

そのとき調査の答えが見つかりました。

 

もしかして今のは暗示かなと。

 

皮肉にも父は次元的に周囲に劣るようなタイプで、それを換算すると暗示だろうなと状況証拠が一つ作れました。

 

これが最初の違和感の始まりです。