富岡は無口やろ。あれが怖いね。周りにはナヨナヨした感じで見られるんやろうけど、ワシにはいかにも強そうにしか見えんな。
あのね、見た目やないんや。洞察力とかの描写やの。あれで第一印象をワシは感じたの。
炭次郎と最初にやりあったときの炭次郎分析や。そんときの炭次郎は弱いが、素質を見抜いた目やの。弱いときは気づきにくいけえ、それを見抜く力量がよう分かるし、親方様との白洲みたいなところでも一人だけ炭次郎の力を知り、距離が遠いやろ。そしてその遠い理由はたまたまやないが。
普段から距離を取るわい。いつ仲間が死ぬ世界か分からんけえ、仲間意識に深入りせんわい。
それが邪魔になるんで。
「シン・レッド・ライン」でニック・ノルティーが演じた大佐やけど、頂上のトーチカを制した後に死んだやけど、制圧したときに、部下と日本兵がぎょうさん死んだわいの。
それに正義があるかとか、自分は家族のために生きることを考えて、大佐のポジションで楽をすることを狙っているが、本当にそれが正解かを考えてスキを作ったんや。
それで自然と日本軍の奪還作戦の爆撃で死亡したんや。
要はニック・ノルティーがトーチカ制覇後に一人で考え込むシーンがそれや。自問自答や。
その後の爆撃シーンは日本軍の奪還作戦とかや。
戦争やけえ、アカンのや。家族のために周りに対して鬼としての振舞を見せても帰還する気ならそれをやるのが男なんで。ま、難しいがな、第二次世界大戦やけえな。ソマリアと背景がちゃうんや。
ソマリアは御覧のとおり、味方ヘリが墜落したら、置いて帰れんのが近代戦争やでの。コンプライアンス研修とかと同じで、時代は変わるけえの。甘えん方がええんや。
ソマリアは兵に優しいんや。時代背景が。せやけえ、ワシは近代と昔のどちらも極めたような感じで記述を残しとるんや。